妊娠発覚の3日後に盲腸になった話です。
週数で言うと5週でした。
おなかが痛い
妊娠していると分かったのが、10/31。
赤ちゃんが来てくれたことが嬉しすぎて夫婦でなぜか大爆笑したのがいい思い出です。
そしてそれから3日後の11/3。
晩ご飯を食べたあとに、胃が猛烈に痛くなってきました。
でも胃が痛くなるのは結構よくあることなので、その時の私は「あぁ〜またか」くらいにしか思っていませんでした。
普段だったらすぐに市販の胃薬を飲んで楽になれるのですが、妊婦って薬飲んでいいのかしら?と思い、(恥ずかしながらそんなことすら知らなかった)ネットで調べると、薬は飲んじゃダメっぽい。
けど猛烈に痛い。でも飲んじゃダメ。1時間ほどその痛みは続きました。
しばらくすると今度は吐き気もやってきました。
なにこれ、こんなパターンの吐き気経験したことない!と思った私は、もしかしたらこれがつわりなのかもしれない・・と思いました。
「つわり」と言うものを経験したことがなかった私は、いつそれがやってくるのか戦々恐々としていました。
なので、妊娠している+吐き気がする=つわり!!!!と言う謎の方程式に一人で納得し、胃痛と吐き気の中ひたすら耐えました。
めっちゃお腹痛いけど、みんなつわりはしんどいって言うし。つわりってこんなにしんどいものなのか!
しばらくすると痛い場所が変わってきました。右腹が痛い。
そして思い出しました。
2年前に盲腸になった時も、そういや胃痛+吐き気から始まったんだった。
そして最終的に右腹が痛くなったんだった。
これ、つわりじゃない。盲腸だわ。
(なぜあの時盲腸を薬で散らしてしまったんだ!
手術して、切って取ることをお勧めされたのに、若かった私は「まだビキニとか着たいし〜」などというなんともアホ丸出しな理由で薬で散らす治療を選びました。
当時の自分をフルボッコにしてやりたい。)
その夜夫は友達と飲みに行っており不在でした。
一人。そしてもう病院が開いている時間でもありませんでした。
え、ちょっと。むりむり。
てゆうか妊婦の盲腸ってどうなるの!?
赤ちゃんどうなるの!?
病院にいく
軽く頭が真っ白になったところで、これは一人じゃ解決できない、と#7119に電話しました。
窓口の方は、痛みに耐えれるのであれば、救急車を呼ばず自力で病院まで来て欲しい、と言うこと。
それから近隣の開いている救急病院を教えてくれました。
その時すでに23時半。
痛すぎて、背筋は曲がり、ノロノロしか歩けない中、なんとか家を出発し、(そして急いで帰ってきてくれた夫と家の前で合流し)タクシーを拾って病院へ行きました。
病院に着いたら、すぐ見てもらえるのかと思いきや、夜間外来は激混み。
診察の順番が回ってくるまでおよそ2時間ほど待ちました。
その時すでに夜中2時すぎ。
椅子にも座れないほどの痛みだったので、外来のベッドに案内され、担当の看護師さんに、今晩の経緯と妊娠していることを伝えました。
そして診察に回ってきたお医者様が、右腹を上からグイグイ押して、私が痛がっているのを見て、盲腸かもしれない。
でも詳しいことは明日の朝調べてみないとわからない。と言いました。
まじで?私明日の朝までこれ耐えるの?
その時のお医者さんのお話は、
①今すぐ緊急入院になること
②妊婦なのでレントゲンが使えない(盲腸はレントゲンでわかるらしい)。なのでエコーで見てみよう。ただエコー技師が明朝来るまでは、なんともできない。と言う2点でした。
救急外来のベッドの上で悶える私の横で、入院手続きを済ませ(全て、夫がしてくれました。ありがたや。)
そして病棟へ入院できたのが朝4時頃。
仕事の関係者に緊急入院となったこと&今後1週間程度の業務引継ぎを、メールで連絡し、朝6時頃にやっと眠ることができました。
翌朝、エコーで盲腸を見てもらったところ、結論は「おそらく盲腸。でもエコーだとわかりにくい。切ってみないとわからない。」とのこと。
その日の午後、担当の内科医師が病室へ来て、今後どうするかを話してくれました。
①おそらく盲腸だろう、でも切ってみないとわからない。
②妊娠しているなら薬はなるべく使いたくないので、必要最低限の麻酔だけで開腹手術をする と言うことでした。
妊娠も手術についても素人の私ですが、ネットで調べた情報で、「安定期に入るまでは薬は絶対ダメ!」的なことが書かれていたので、
なんとか安定期に入る16週までこの盲腸と共存できないか?と聞いてみたのですが、
「そんなことしたら、赤ちゃんよりも先にあなたが死んじゃうよ!まずは母体守らないと!」と。
なるほど。確かに。
そして手術は翌日行われることが決まりました。
その日の午後、同じ大学病院内の産婦人科外来へ行って、赤ちゃんの検診をしてもらいました。
妊娠中に盲腸になるなんて未知すぎて、赤ちゃんが元気かどうか、昨晩からとても心配でした。
まだ心拍が確認できる週数でもなく、なんとも言えない状況ではありましたが、ひとまず赤ちゃんがまだお腹にいると言うことが分かって少しほっとしたことを覚えています。
ここで産婦人科の先生に、妊娠中に麻酔を使って手術を行う事による赤ちゃんへの影響を質問しまくりました。
赤ちゃんが流れちゃうんじゃないか。障害が残ったりするんじゃないか。
本来作られるはずの臓器や体の一部が失われてしまうのではないか。
とにかく質問だらけでしたが、先生の回答はシンプルにただ一つ。
「もし薬の影響が出るとするならば、流産以外はあり得ません。」
まだ5週だったので、薬の影響が出てしまった場合、生き残ることは難しい。
逆に言えば、生き残れば薬の影響は受けていないと言うことだろう。大丈夫。と言うことでした。
その後、手術を担当してくれる内科医・産婦人科医・麻酔医の3人でミーティングをしてくれ、使う麻酔が決まり、翌日の手術を迎えました。
妊婦 手術する
手術は無事に執り行われ、(開腹してみたら、すごい盲腸が腫れてたらしく。「見てこれ!すごいでしょ?」と夫は取り出されたそれを先生から見せられたそうです。)
盲腸は綺麗さっぱり無くなったのですが、私の本当の地獄はここからでした。
必要最低限の麻酔しか使いません。とお医者さんは言っていました。
(余談ですが、病院側のこの判断は赤ちゃんのことを考えて、と言うよりは、後々訴訟でも起こされたら困るから・・というのに基づいた感じだったように思います。
あくまで予想だけど。)
だから、術後の痛み止めは少量のみで、あとは根性で耐える感じでした。
余りの痛さに「痛いー!!」という声が止められず、うるさすぎて大部屋には居れない。
個室へ移動さざるを得なくなりました。ノーチョイス。
移動した個室は1泊3万円。夜景がよく見える素敵なお部屋でしたが、私にとっては痛すぎてそんなもんどうでもいい。
傷口も痛けりゃ財布にも痛い。もう、思い出すだけでも痛くて泣けてきます。
一晩激痛に耐え、しかもなぜか尿の管を入れてくれなかったので(入れると聞いていたのに入っていなかった〜なぜ〜)
次の朝にはトイレに行くために自力で壁伝いに歩きました。
その後、入院中は毎日産婦人科外来へ行って、赤ちゃんの様子を見てもらっていましたが、特に影響を受けた様子もなく。
赤ちゃんは、我関せずと言ったような感じに見えました。
一か八かの手術でしたが(私にとってはそんな覚悟でした)、幸運なことに流産はせずに済みました。
まとめというか感想というか
この時お腹にいた赤ちゃんは、我が家の長女でもう3歳になります。
あの手術を乗り越えたさすがの生命力で、いつも元気いっぱいの子どもです。
(でも生まれるまで、ずっと怖くて怖くてたまりませんでした。
無事に生まれてきてくれたことに本当に感謝しています。)
妊娠中の病気は、薬も使えないし、赤ちゃんに影響が出たらどうしよう!とママは怖くなりますよね。
もちろん人それぞれ病状や状況は異なるとは思いますが、
「盲腸の手術したけど、無事に子ども産んだ人もいるんだ!」と、私の体験談が誰かの励みになればと思います。
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